エターナルな塗装講座 プロローグ

なかなか文章では伝えにくいと思うのですが「相田の最近の塗装」ついていろいろとこきまくろうと思います。

目次 白いサーフェーサーで楽をしよう
    楽のできる白塗料を使おう!!
    マスキングにも便利な素材が

    エターナルなパール塗装(実は簡単)
 
03年3月改定部分はこの色で表示されています。

きっかけ

 
ホームページ上以上にイベントで実物をご覧になると分かると思うのですが、最近(2001年前後)相田はかなり派手な塗装をしています。派手なパール塗装やグロス(ツヤあり)塗装などがその中身にあたるわけですが、見栄えのよさを考えて(キャライメージやデザインをぶち壊さない範囲で)意識的に派手に塗装しています。お客さんの反応もなかなか良いのですが、やや問題に感じられることもありました。
特に派手なパール塗装を多用するようになってからなんですが、」どうも「この塗装は自分には出来そうも無い難しい方法による物ではないか?」そう考えているお客さんが少なからずいらっしゃるみたいなのです。で、これでキットを手に入れたはいいが「塗装がうまくいきそうも無い→製作へと至らない→押し入れの肥やし化」ってことになったらあまりにもったいないのと思うのです。いや、それ以前に作れそうもない(塗れそうもない)→買うの止めよって思われたら、うさPハウスの運営資金が〜。

 実際、相田の塗装はそう手の込んだことをしているわけではありません。使いやすい塗料などを正しい手順で効果的に使用しているだけなんです。たとえば相田が付きっきりで指導するって形で塗装をしてもらえれば大抵の人に相田と同じような塗装をさせることは可能です。(瞳の描きなどには少々練習が必要になってきますけどね。)

 つーこって相田の最近作を材料に今後塗装に関して少しこきまくります。なお内容に疑問などがありましたらご質問お願いします。その内容を取り入れて随時改定していきたいと思います。

できるだけ楽してキットを塗装する勧め
 
キットってたくさん完成すると嬉しいじゃない?相田もそうなんだけど自分で原型を製作するようになるとなかなか人様の原型作品を完成させることができません。ですからできるだけ効率良く製作、塗装できる材料、塗料などを物色しています。でね、今は探せばいろいろいいのがあるのよ。

白いサーフェサーで楽をしよう!!(白サフの勧め)

 
ガレージキットを製作する際にキットの表面のキズをチェックする、表面を滑らかにする、塗料の食いつきを良くするために広く使われるのがサーフェサーです。昔から知られているのが車用のプライマーサーフェサー、ソフト99のプラサフです。しかし色が濃いグレーでフィギュアの下地の色としては適切ではありません。綺麗な肌色の発色のためにはサフ吹き→白塗料厚吹き→肌色吹き、とかなりの厚塗りになりキット表面の彫刻が埋まりがちになる、また下地のグレーの影響で綺麗な発色が得にくいといったことがたびたび問題になります。そこで現在好んで使われるようになったのが「白サフ」ということになります。またこれを使用するとグレーサフを使用する場合より少ない塗装で良好な発色が得られる→作業時間の短縮にも繋がります。

 しかしこの「白サフ」、、、、、、、まともに使える物が入手しやすくなったのはまだ最近なんですよね。ここではレジンによく食いつく「プライマー」成分を含むものを紹介しますが

「タミヤ製プラサフ(缶スプレー)、
「GSIクレオス(旧グンゼ製)ベースホワイト(缶スプレー、ビン入り)」
「フィニッシャーズ製アクリルプラサフ・ホワイト(ビン入り)」


などがあります。グンゼのベースホワイトは「下地用の発色の良い白」という風に考えられている向きもありますが実態は「白プラサフ」です。どれも比較的使用感は近いのですが、この中ではビン入りのベースホワイトはシンナーと顔料の相性が悪いのか塗料中に顔料が溶けきらずに粉ぽい感じがありエアーブラシで吹くと表面がざらついた状態になりがち(溶剤が異なるのか?希釈濃度が絶妙なのか?スプレーのノズルが絶妙なのか?缶スプレータイプのベースホワイトはそこまで酷い表面状態にはならない)で、塗装面を磨き直す必要があり作業性が悪くなります。できれば吹き付けた状態で滑らかな表面ができあがりわざわざサフ面を磨き直すことがないのが理想なんですよね。

 また缶スプレーはタミヤにしろグンゼにしろ吹き付け量が調節できませんからついつい厚吹きになりがちです。そこで相田が好んで使うようになったのが「フィニッシャーズ」のプラサフということになります。これをエアーブラシで吹いています。食いつき、発色とも良好でここ数年の相田作品の下地はこれで作られています。吹きっぱなしの状態で表面は比較的滑らかになるのでわざわざ磨き直す必要もなく作業性はかなり良好です。

 ただし白サフを白塗料がわりにしてこれだけで下塗りの白い面を完全発色させることはあまり感心しません。これだとやはりかなり厚塗りになってしまうんですよ。「白サフのみで白い面を発色させる場合」と「白サフ薄塗り+白吹き」ですと後者の方が塗膜を薄くすることができるんです。ちなみにこの「アクリルプラサフ・ホワイト」、50CCで800円です。多少割高に感じられると思いますが濃厚でかなり薄めて使うことになるので割高というほどでもないです。問題はこれ、カーモデル向けって雰囲気で売られている商品なんで入手できる模型屋が限られているんですね。その場合メーカーの代引き通販で入手されるといいと思いますよ。(販売元・ホビーショップGT TEL03( 5696)4615、この後、フィニッシャーズの商品をいくつか紹介することになりますので興味をもったらまとめて通販するといいと思いますよ。)

えっと、相田がここで「これはいいよ」って感じでサフとか塗料とかお薦めしますが、中には相田が十分に使っていないで「あまり良くない」って言っているものもあると思います。今回の白サフに関してですが実際に使用された商品がありましたらその使用感などを教えていただけましたら、塗装ページ作成時に参考にさせていただきます。正直なところ相田はサフを厚吹きしたくないので「タミヤ白サフ缶スプレー」「グンゼベースホワイト缶スプレー」の2種を使っていないのですが性質的に「フィニッシャーズ白プラサフ」明確に劣るとも思っていないのです。ただテストの結果、ハンドピースでサフを吹く相田にはメリット無しと判断して使用していないのですね。「グンゼーベースホワイトビン入り」は塗装面がざらついた状態になりがちという理由で除外していますが、実用に足る白サフはこの3種だと思います。ちなみに白サフの判断ポイントは、、、、、
 レジンへの食いつきのよさ(プライマー入りが必須)
 発色のよさ
 キズの埋まりやすさ
 吹きっぱなしの状態で滑らかな表面になる
 といったところでしょうか。フィニッシャーズの白サフはかなり濃厚なためかなり薄めなければなりません。ハンドピースが詰まりやすい、表面が平滑になりにくいといった使用感をもたれた場合、まだまだ希釈濃度が濃いと思った方がいいと思います。ベストな希釈濃度を掴みにくいのが欠点って言えば欠点かな?

 注:レジンにサフを吹かず透明なプライマー(MRカラーなどのプライマー)を吹きレジンという素材の半透明感を生かしその上からクリアー系の塗料(クリアーオレンジ+クリアーイエローなど)で肌色を表現する技術があります。一般に「サフレス」と呼ばれる技術です。この技法を実践する場合、パーツの気泡埋めなどにパテ類を使用できません。グレーのサフはもちろん白サフの使用も出来ません。現実問題としてパーテイングラインや段差処理などをパテ埋めでなく全て削り作業で処理しなければならず、出来るだけ気泡が少なく段差の少ない状態で成型されたキットが必要になってきます。また、クリアー系の塗料によって作られる肌色はきちんと発色させることが難しく部分部分で色味が一定しません。いろいろと細やかな神経、作業が必要とされる塗装方法ですのでご注意ください。

 時間があったらイベントでいろいろなディーラーの完成品を見てみて、気になる肌色表現があったら塗装した方に方法をうかがってみると良いと思いますよ。「このキットを買ったんだけどこの色で塗りたいんです。」って聞いたら(実際には買っていなくても)大抵説明してくれると思いますよ。

楽のできる白い塗料を使おう!!

下地用白塗料編「発色が良くて平滑な塗装面が容易に作れる下塗り用白は実在する。」

 
使いやすさ、作業性などを考えると使いやすい塗料は間違いなくラッカー系塗料です。代表的なものはGSIクレオス(旧グンゼ産業)のMRカラーですね(基本色10CC,120円)。概ねこれをエアーブラシで吹き付けて塗装。瞳の描き込みなどにエナメル系塗料を(タミヤカラー)使用するのが良く使われる方法です。これらは模型ルートでもっとも入手しやすく極一般的な塗料です。 

 で、まあフィギュアの場合は通常まず、白で下地を作るわけですが、この白塗料って言うのは通常下地を隠す力(隠ぺい力)が弱く、グレーのサフを使うと結構大変な思いをすることになります。

  だから、白サフを推奨しているわけだけど更に白塗料も隠ぺい力の強い物を使用すればベストなわけ。で、一般に隠ぺい力強そうな白塗料にどんなのがあるか?グンゼのベースホワイト?えっとこれは実態は白プラサフです。これで白の下地作るとかなりぼってりしてしまうのでお薦めできません。缶スプレーは厚塗りになりがちだし、ビン入りを吹くとざらざらな塗装面ができてしまうし。これなら同社のグランプリホワイト(21番)、飛行機色の316番などの方が良いでしょう。モデラーズのスーパーホワイト、ベースホワイト(缶スプレー、ビン入り)なども悪くはないです。ただ缶スプレーは厚塗りの問題が残りますしビン入りの物はMRカラーとは希釈する溶剤の性質がまるで異なるので、MRカラーとの併用はしにくいんです。

(ちなみに相田は以前缶スプレーのモデラーズのホワイトをペンキシンナーで薄めてハンドピースで吹いていました。)

 で、お薦めはフィニッシャーズ製ファンデーションホワイト(下地用の白、20CC350円)ということになります。これも量からすると割高感が無きにしも非ずですがMRカラーと比べて量は倍、しかも濃厚でかなり薄めて使用することになるので実際にはそう割高ではありません。そしてMRカラーと互換性があるのでMRシンナーで希釈することもできるは大きなメリットです(ただしより相性の良い専用の「ピュアシンナー」あり)。隠ぺい力が高くツヤありの平滑な表面が作れます。

 ファンデーションホワイトと同社の白サフは多少割高に感じられるかもしません。実際に使用してみても価格相応の価値無しと判断される方もいるかもしれません。が、少なくとも白サフ、白塗料ですから無駄になることはありません。だまされたと思っても是非試してみることをお薦めしますよ。下塗り終了までの手間と時間は大分短縮され塗装面も比較的薄く滑らかに作れると思いますよ。

マスキング
 
エアーブラシの普及によって塗装は格段に容易に行えるようになりました。相田がはじめてハンドピースを購入したのは1985年ごろだと思うのですが当時と比べてむしろ価格は安価になっているぐらいです。で、エアーブラシを用いて塗装を行う場合重要なのが「マスキング」ということになります。

マスキングテープ
 直線的なマスキングならどこ銘柄のテープを使用しても同じような物ですが、ある程度曲線マスクが必要になるとテープを選ぶ必要があります。テープ自体がビニール質でテープを伸ばしながら曲げて曲線にマスクしやすいのがモデラーズ製の「ハイテクマスキングテープ」です。あまりキツイ曲線マスクでなければ「タミヤ」のマスキングテープが結構柔軟で利用しやすいですね。細く短冊上にカットした物であればかなりの曲線マスキングも可能ですね。厚みも薄いのでよっぽどのことでもない限りは相田はタミヤのマスキングテープを使用しています。この2種類があればまず困ることは無いでしょう。相田はほとんどタミヤのテープを使っています
 さて、マスキングテープ使用上の最大の注意は、「テープをしっかりと密着させること」でしょう。マスクの境目がきっちりと密着していないとテープの隙間から塗料が染み込んでしまって綺麗に塗り分けることが出来ません。そこで「綿棒、つまよう枝などの先で押し付けてしっかりとテープを密着させる」ことが重要です。もちろん密着させるのはマスクの境目の部分だけで十分です。テープ全部を密着させるとはがす時面倒だからね。

その上で吹き付け塗装を行う際、いきなりドバッと塗料を吹き付けるのではなく、境目の部分は塗料がかかったそばから乾燥していくぐらいの(エアー量に比べ塗料が少なめの)状態で吹き付けていけば塗料の染み込みはおきにくくなりますね。
 更に染み込み予防策として以下のようなことを行うこともOKです。「本塗装前にマスクの境目に薄めのクリアー塗料を吹き付けておく」のです。これどういう意味があるのか?染み込むなら染み込んでしまえ!とばかりにクリアー塗料を吹いて染み込んでしまってもよしとします。その上で本塗装を行います。マスクをはがすとどうなっているか?少なくとも本塗装の色は染み込んだりはみ出したりしていません。クリアーは染み込んでいても、、、、、、透明ですから見えませんよね?多少のクリアーのはみ出しが気になるようであればナイフやペーパーで注意深くこそぎ落とせばいいでしょう。少なくとも本塗装が染み込んだ状態からのリカバリーに比べれば全然楽なはずですよ。

 実はマスクがしっかりとしていればわざわざこんなこと必要ないんです。ただ失敗があるとリカバリーが辛いですし、失敗が出るかもしれないって状態で作業するのが精神衛生上辛いので相田はマスク面にクリアー吹きをすることが多いですね。まあ、相田の場合、イベント直前に追い詰められて完成品を作ることが多く絶対に失敗できないってところから保険をかけるという意味でこんなことをするようになりました。

タミヤ タミヤマスキングテープ6mm  
タミヤ タミヤマスキングテープ10mm  
タミヤ タミヤマスキングテープ18mm  
タミヤ タミヤマスキングテープ6mm詰替用  
タミヤ タミヤマスキングテープ10mm詰替用  
タミヤ タミヤマスキングテープ18mm詰替用  
モデラーズ ハイテクマスキングテープ2ミリ
モデラーズ ハイテクマスキングテープ5ミリ  
モデラーズ ハイテクマスキングテープ10ミリ  

 さて、実際にマスキング作業をして塗装を行うとしましょう。エターナルセーラームーンの腕を例に取ると、白吹き→白+パープルでシャドウ吹き→クリアー+パールパープル吹き。次に肌色(白+オレンジ)吹き。ここまではノンマスキングで行きます。乾燥後マスク作業です。幸いマスクラインは全て直線ですから細切りしたマスキングテープでOKです。肌色部分と手首の赤ラインを避けて白部分をマスクします。で、丸肩のピンク(白+蛍光ピンク)吹き→クリアー+パールピンク吹き。乾燥後、赤を吹くためピンクをマスク。このときピンク部分に赤が絶対にはみ出ないように注意すること。はみ出るぐらいなら赤が十分に乗らないようにマスクしてもOKです。これはピンク部分はパールの2コート(基本色吹き後パール吹き=2回吹き)のため後から筆塗りで色の乗っていないところに塗装をしても同じ色にはなりにくいため。赤は1コートなんで塗り残しがあっても問題が生じにくいのね。で、赤吹き(赤は透明度の高いモデラーズの赤+クリアー+パールピンク)。多少の塗り残しがあっても赤でタッチアップ(筆で追加塗装)すればOK。

 でね、タッチアップするとそこの部分だけ厚塗りになったり段差ができたりしてきれいじゃないでしょ?これを誤魔化す方法を知っておいてください。はい、ツヤありのクリアーを(厚く)吹くのよ。エアーブラシを使わず筆塗りで塗装をする人でも筆目を目立たなくするために最終的にクリアーを缶スプレーで吹くことが多いんだけど、それと同じね。エターナルの腕の場合、肌色以外は全部パール塗装になっています。パール塗装は更に上からクリアーを重ねることで輝きをますので一石二鳥ということになります。肌色部分は艶消しにしますので、マスキングして肌色部分にだけフラットクリアーを最後に吹きます。

 作業の手数が多めに感じられるかな?でも単純作業ですからしっかりとマスキングテープを貼りさえすれば誰がやっても同じような仕上がりになるはずですよ。

(ちなみに現在 「アイズプロジェクト」 よりきわめて幅の狭いマスキングテープが発売されています。曲線をマスキングする際にカーブを描きやすくするように通常のマスキングテープはカッテイングマットなどに貼って極細で切り出して使います。最初から極細に買ったされた状態の商品があれば便利という発想から2001年ごろに発売されました。ただし、あらかじめカットされているというと便利そうですが切断面はホコリなどで汚れがちになるので、正直なところそうシャープなマスクが出来るわけでもありません。マスキングテープは使用する毎にシャープに切り出して使うという方法をなぜ取るのかというと、切り出し直後ホコリなどでの汚れの無いテープで極力シャープなマスクをするためです。そう 考えると便利かもしれませんがこの商品は「それなり」のものと考えた方がよいかと思います。

アイズプロジェクト ミクロンマスキングテープ@0.4mm  
アイズプロジェクト ミクロンマスキングテープA0.7mm  
アイズプロジェクト ミクロンマスキングテープB1.0mm  
アイズプロジェクト ミクロンマスキングテープC1.5mm  
アイズプロジェクト ミクロンマスキングテープD2.5mm

ところがね〜。マスキングテープだとマスクしにくい場合もあるのよ。例えばエターナルムーンの頭部パーツ。このキットの場合、「顔と前髪」が一体で成型されているの。こういう時に役立つのが「マスクゾル」というわけ。

マスクゾル

 
意外とこれを利用する人少ないようですが、フィギュアモデラーにとってマスクゾルは強い見方ですよ。

 旧来のマスクゾルといえば「GSIクレオス(旧グンゼ産業)」が出している「エマルジョン系」のタイプのもの「MRマスキングゾル」ですが90年代半ばに「モデラーズ」の「プロユース マスクゾル」が加わりました。マスクゾルは「一種の水性ゴム、怪獣のきぐるみの材料に使われるラテックスなど」なんですが、模型の表面のマスクしたい個所に塗って使用します。グンゼとモデラーズの物では使い勝手がかなり異なり、グンゼのものはゾルの「食い付き」がかなり強く少々はがしにくいんです。場合によってはゾルをはがす際、下地の塗膜が持っていかれることもあります。そのかわりゾルを塗った後ゾルにナイフで切れ込みを入れてマスクの一部をはがしシャープなマスクの境目を作ることが出来ます(うっかりするとこの時塗膜が持っていかれることもあるが)。
 逆にモデラーズのゾルは乾燥後もかなり柔軟でナイフを入れて一部をはがすという芸当は不可能です。完塗ることによってしかマスクの境界線を作れませんからシャープな境界線を作れません。ただしこのゾルは容易に確実にはがすことができ下地の塗膜がもっていかれるということはまずありません。例えばアニメキャラクターの髪の毛が頭部と一体成型されているパーツの塗りわけの際には「モデラーズ」のマスクゾルは有効です。G−PORTの初期のセラムンシリーズ、B−CLUBの1/6シリーズの多くって前髪が頭部と一体で塗装の際、難儀するんですよ。細かく意切り出したマスキングテープを髪の隙間に丹念に貼り込んでいくのも手ですがかなり面倒ですよね?こんな時使えるのがモデラーズのマスキングゾルです。まあ、筆によるマスキングですからあまりシャープな物にはなりませんが人間の髪の毛の生え際って本来少しぼやけた感じになっているわけですからあまり気にする必要はないでしょうね。

 ただこのマスクゾル、使い方に少しコツがいるのね。そして実際に使われた方なら「筆がダメになり易い(筆が事実上使い捨てになる?)」ってことを欠点としてあげるかもしれません。でも2つの方法でこれには対処できます。

注:2001年末 GSIクレオス(旧グンゼ産業)からもモデラーズと同タイプ(ラテックスゴム系)のマスキングゾルが発売されました。商品名=MRマスキングゾルNEO基本的にモデラーズ製品に近い性質のものですが希釈に揮発性の低い溶剤を使用しているため乾燥はかなり遅めです。(モデラーズのものはアンモニアを使用してオリ乾燥は早め。その代わり異臭が強い。)

プロユース・マスクゾルの使い方と筆のケア

 1990年代の半ば(95年ごろ?)に発売されたのがモデラーズのマスクゾルです。このころのガレージキットは多くが前髪が頭部と一体で成型されており塗装の際に塗りわけに相当苦しめられていました。髪の隙間にちまちまと細切りしたマスキングテープを貼りこんだり髪と肌の境界線は筆で塗り分けてあとは大雑把にマスクしてブラシするとか、いろいろと工夫が必要でした。そういった問題もモデラーズのゾルで大幅に解消されることになりました。

 しかしこの商品、使い方の説明書きが大雑把で雑誌などでも使用について解説されることがほとんど無く十分に生かされているとはとても思えません。またモデラーズがもともとカーモデラー向けブランドであるところから他のジャンルのモデラーには著しく浸透しにくいのです。これは相田がよく進めているフィニッシャーズの商品も同様ですね。

 さてこの商品使用法として「マスキング部分にマスクゾルを筆、指などで手早く厚塗りする。」とあります。これだと「筆にゾルをタップリ浸して塗りたくる」という感じになってしまいそうですがこれは少々お薦めできません。相田のエターナルセーラームーンの頭部パーツは前髪が頭部と一体になっているのでゾルによるマスキングが必要です。塗装の順番としては白→肌色、マスキングして髪の毛となるのですがこの時、たっぷりゾルを浸してしまうと、ゾルの流動性が高いので髪と頭部の塗り分け部(谷状になっている)にゾルが思いっきりたまってしまうことになります。このまま塗装してゾルをはがすと、肌色の部分が髪の方にはみ出している状態で塗り分けられてしまうことになります。ですから「塗り分け境界線部分のゾル塗りは筆につけるゾルを少なめにして数回に分け薄く塗り重ねていく」ようにした方がいいのです。この時当然「面相筆」などを使用するのがいいでしょうね。相田は時間短縮のため境界部のマスクの際にはドライヤーでマスクを乾かして重ね塗りをしています。大雑把にマスクする際にはもちろん大きめの筆でべたべたに塗ってもOKですよ。ちなみにこのマスクゾル、水性ですから水を加えて使いやすいように濃度を調節しても構いません。

 さて、ここからがこのマスクゾルの問題点とその対処法です。このマスクゾルって水性で「筆は乾かないうちに水で洗うこと」と用具の手入れ方法が紹介されています。しかし実際に作業を繰り返していると、どんなに注意して作業の合間に頻繁に筆の水洗いをしてもいつの間にか「ゾルが固まってしまって筆から落とすことが出来なくなる」のです。このため「筆が使い捨てになる」と言われることが多々あります。では実際に固まったゾルを落とすことは出来ないのか?少々時間がかかりますが「エナメル塗料のシンナー」に付けておくとゾルがブヨブヨしてきてシゴキ落とすことが出来ます。ただし完全に落とすにはこの作業を2〜3回繰り返す必要があります。シンナーはコンビニなどで入手できるライターオイルなどでも代用できます。

  そしてもう一つ。ゾルの使用前に筆に浸して筆にゾルがへばりつかない(つきにくくする)液体が商品化されています。99年頃に発売されたフィニッシャーズ製の「マスクゾルクリーナ」がそれです。名前からすると筆についたゾルを落とす(クリーニングする)商品に思えますが違います。筆を特殊な液体でコーティングしてゾルを筆にへばりつき難くする商品です。ただしこの商品を使っても筆の洗浄をおこたりゾルを完全に硬化させてしまうとゾルは筆にへばりつきます。またやはりこの商品を使用しても作業を繰り返しているうちに段段と筆にゾルがへばりついてしまうことになりがちです。とはいえ使用しない時に比べれば圧倒的にゾルはへばりつきにくくなりますし、へばりついたらゾルはシンナーで落とせばよい訳です。ゾルの筆へのへばりつきに閉口された経験のある方には是非一度試していただきたい商品です。モデラーズのマスクゾルへの悪い印象は大いに払拭されるはずですよ。

 つーこってここまでの相田の塗装用お薦めアイテムは、、、、

●サフ=フィニッシャーズ白サフ
●白塗料=フィニッシャーズ ファンデーションホワイト
●マスキングテープ=タミヤ製
●モデラーズ製マスキングゾル
●フィニッシャーズ製マスクゾルクリーナー

これらを使用することで作業効率はかなり高まると思いますよ。

モ デラーって自分の関心のあるジャンルにしか目を向けない傾向が強いと思うのだけど、別ジャンル用に発売されているアイテム(モデラーズもフィニッシャーズもカーモデラー向けという雰囲気が強い)が大いに転用できることがあることに注意してみるといいと思いますよ。特にカーモデル用の塗料類は色艶の点でフィギュアには有効な物が多いですから注意してみてください。モデラーズの塗料は少々溶剤が特殊なんですがフィニッシャーズの塗料はMRカラーと互換性がありますから試す価値ありですよ。(ちょっと流通面が弱いのが弱点ですけど、、、、、、。)

 エターナルなパール塗装

ハイ、近年の相田のフィギュア塗装に大きなウエートを占めるようになったのがパール塗装ですね。相田の作品ではエターナルチック(天使、女神、仏、菩薩)系の作品には使いまくっています。また、近年ガンダムプラモの世界でもパール塗装などのメタリックな塗装がもてはやされることが多くなりました。知らない、慣れないところから実際以上に難しいものと捉えられがちのようですが「基本的な仕組み」さえ理解すれば誰にでも一定レベルの塗装は可能ですよ。派手な塗装が似合うキャラクターフィギュアの塗装にこそ映えるとも考えられますからトライされることをお薦めしますよ。ただし、

考えてみよう

パール塗装はともすれば「パール塗装そのものが目的化」して実行されることが少なくありません。本来「何か表現したいことがある。造形だけでなく塗装の仕方でもそれを表現したい」、こういった時に手段として実行するのが本筋です。まあ「表現したい何か」が単に「派手」って場合にはそれはそれで有効なんですけどね。
 相田の場合、パールを好んで使うようになったのはまだ比較的最近です。隠し味程度の使用ならかなり前からやっていましたが、特に強調して使うようになったのは99年頃からですね?特に原型製作段階から、パール塗装を大々的に行うことを想定して製作したはじめての作品がエターナルセーラームーンでした。エターナルセーラームーンのアニメ版のカラーリングって正直なところさえないんです。ところがですねえ、色をメタリックに置き換えるとそれだけですごくいい感じになるんですよ。原型製作時に翼の造形を少し(少しか?)アレンジしたのも加えてとっても「高貴な雰囲気」を出せるんではないかと考えたんです。

ただまあ、何でもかんでも使えばいいというわけではなく表現上有効な手段となるか考えた上で使用すべきでしょうね。普通の私服とかにパール使いまくりっていうとどうかな?っていうのがありそうでしょ?逆にセラムンのコスチュームとかCCさくらのバトルコスチュームとかには結構似合いそうでしょ?

追記:パール塗装の技法に関しては2001年「ホビージャパン」5月号、10月号に石川雅夫氏による詳細な記事があります。ここで紹介する内容と取り上げ方が少々異なりますが重複する部分も多く参考になると思いますのでバックナンバーを入手されることをお奨めいたします。

技法1

一般的なパール塗装(2コート式パール塗装)  

 グンゼ産業がビン入りパール塗料を発売したことでパール塗装は一般によく知られるようになりました。パール塗装にはいくつかの技法があるのですが、グンゼ産業のパール塗料を用いることで容易に行うことができるのが「2コート式パール塗装」です。
「下地の基本色を塗装(まず第1コート)後、塗装面にパール塗料を上吹き(そして第2コート)」することにより色を作る(発色させる)パール塗装です。ここでは後で紹介する別のパール塗装法と区別するため「2コート式パール塗装」と呼ぶことにします。

 この塗装方法には、いつの原則があります。「下地の塗装と同じ色系統のパール色を上吹きする」ことです。例えば相田製作のエターナルエターナルセーラームーンの肩(ピンク)部分は「下地塗装=白+蛍光ピンク」は「上吹き=VOLKS製シャインパールピンク」で塗装しています。第1コートのピンク系に合わせて第2コートをピンク(レッド)パールにしているのです。
 この時パールは「パールのホワイト」ではいけないのか?いけないということはないのですがピンクの上に「白銀の薄い膜」が乗っかる感じになりピンクの色がかなり薄められてしまうんです。もともとそういった効果を狙うのならOKです。実際こちらの方が自分の望む色を作れることもあるかもしれません。実際上吹きするのがパールホワイト(第2コート)なら基本塗装(第1コート)がどの色でもそれなりには見えるんですよ。でもピンクの基本塗装の上に吹くのがパールブルーとかパールグリーンだったらかなり変な物になりそうでしょ?

 このパール塗装は2回の塗装で最終的な色を作ることになるので、塗装の際にはあらかじめプラ板などにテスト吹きをしてみることをお薦めします。

余談=パールの色の表記の注意

 
えっと、パールの色の名称なんですが、メーカーによって呼び名がかなりまちまちですので注意してください。MRカラーではパールのピンクってないですよね。レッドパールっていうんですが、これ他社のパールでいうところの「ピンク」のパールと基本的に同じです。またパールの名称で「ゴールド」と「イエロー」っていうのがあるんですがこれも基本的に同じ物です。この辺は同一メーカのパール色の名称で「ピンク、レッド」「イエロー、ゴールド」は並存しないことからもわかります。もっともメーカー間でパウダーのキメの細かさ色味に多少の違いがありますから全部買い揃えてもいいとは思いますよ(金が続かない)。

余談=パールの入手

 ビン入りパール=GSIクレオス(旧グンゼ産業)

 現在模型店で入手しやすいのは「グンゼ産業」MRカラーのビン入りのものですね。品番150番台で〜パールの名称で売られているものです。これはクリアー塗料にパール粉が溶かれたものでシンナーで薄めてハンドピースで吹いて使用します。基本塗装後、これを上吹きしてパール塗装を行います。当然塗料中のパール含有量を調節することは出来ず、「パール感」の調節は、「吹き付け量」の増減で調節しなければなりません。またパールのキメはこの後紹介するパール粉にくらべると荒めになります。このパールは缶スプレータイプのものでも発売されています。

 パール粉

 
粉(パウダー )の状態で販売されている物が数種類あります。自分でクリアー塗料に溶いて使用することになります。塗料中のパール粉の含有量を調節できますのでパールの効果を「弱め」にしたり「強調」したりすることもできます。パールの粒子の細かいものが一般に値段が高めですが、いかにもパールって感じのギラギラ感じの方が良い場合もありますから一概に高級パールを薦めはしません。

 例えばですね、MRカラーのシルバーって大いに改良されたんです、ここ10年前後で。その結果、シルバーの金属感が著しく高まったのですが、カーモデルの銀塗装にはかえって不向きな物になってしまいました。実車の銀って当然塗装によるものなんですが、模型用塗料の改良によりかえってらしさが失われるという現象がおきたのね。笑える話ですがその結果、カーモデルの銀塗装向けのシルバーが別に発売されることになったりしているのよ。ですから効果的であるならばかえって粒子が粗くぎらつくMRカラーのパールの方が有効な場合もあるのね。

●WAVE製「マイクロパールパウダー」
●VOLKS製「シャインパール」

●イリサワ製「MGパール」(要するに超微粒子のパールホワイト)「FGパール」ホワイト以外のパール各色)
(かつては模型店フラッグシップが販売元でした。2003年時点で販売元は模型問屋の「イリサワ」に変わっています。)
●精密屋製「パールパウダー」

 
などが模型店で入手しやすいものかな?模型問屋での流通を考えるとWAVE製の物が入手しやすいと思います。フラッグシップ製のものはガンダムプラモの製作記事で紹介される関係でガンプラに力を入れているお店、精密屋製はカーモデル向けって雰囲気で売られているのでカーモデルに力を入れているお店で入手しやすいようです。いろいろな種類の色が発売されていますが、精密屋製の物は5色ぐらいでセット売りされているようですね。

 相田個人は身近なところに店舗(秋葉原)がある「VOLKS」のものを好んで使用しています。実はここで紹介している4銘柄の中では最も単価が安く、MRカラーのパールよりは十分に粒子が細かいのね。また他の3銘柄と比較して明確に劣るようにも感じていないんです。ですからこの4銘柄のうちで入手しやすい物を使えばいいと思います。


 さて、相田はセーラー戦士の「白」の表現で影になるところに「白+パープル」を使用するのですが、その上からパールを吹きます。この時吹くのは「パールホワイト」でなく「パールパープル(VOLKS製)」を使用しています。このパール塗料は下地を隠す力が弱く下地の影響を強く受けます。ですから白の上に吹いても特に紫っぽい白にはなりません。しかし紫ががった白の上に吹くとパールパープルな感じ強調されるのですね。ただし写真などで見てもあまりパール感は伝わりません。

 パールのやや厄介なところは「下地の色の濃さ」「上吹きのパール塗装の厚み」などの違いで色身が変わってしまうことですかね?必ずしも思い通りの色を出せないのがちょっと厄介ですね(そのために通常、プラ板などでテスト吹きをした方が良い)。

余談=パールのパウダーは塗料専門メーカーなどの物が東急ハンズなどでも取り扱われており色味には実はいろんな種類があります。そういったものも試してみるといろいろと楽しいでしょうね。(実は模型ルートで入手できるものよりそういったものの方が質が高いことが多い)

技法2

1コート式パール塗装

 ここまでで紹介しているパール塗装は「2コート式パール(基本塗装+パール塗装)」ということになるのですが(一般的なパール塗装といえばこれを指す)、それとは別に「基本塗装の塗料に直接パール粉を混入」して塗装する「1コート式パール」という方法もあります。この方法は、模型誌の記事では、2001年にホビージャパンのガンプラモデラーの石川雅夫氏のパール塗装の記事で「着色パール法」の名称で初めて紹介されたもののようなのですが、相田のパール塗装でも同じ方法が取られており99年製作のエターナルセーラームーンの塗装で取りいれられています。相田製作フィギュアでは「エターナルセーラームーン」「エターナルジュピター」「木之本桜 ファイナルバトルコスチューム」の塗装でこの方法が取りいれられています(2001年8月現在)。

 この技法は最近まで雑誌媒体で紹介されることがなかった裏技的技法なんですが、2コート式パール塗装よりも簡単な技法なんで是非ご利用ください。

 「1コート式パール」を実践する際に注意することはパール粉を混ぜる塗料の選択です。「透明度の高い色」使用しなければ意味がありません。透明度の低い「ソリッド色」にパール粉を混ぜても、パールの輝きは塗料の透明度の低さに隠されて全く目立たない、パール感、メタリック感が全くでないのです。逆に言うと、透明感の高い色にパール粉を混ぜればパール感が隠れないということになります。

 この「透明度の高い色」ですが相田は多くの場合「MRカラーのクリアー系塗料」を使用していますが石川雅夫氏は「モデラーズのビン入り塗料の原色系」を使用しています。
注=モデラーズの塗料はMRカラーと性質が異なりますのでご注意ください。


メタリックなブルーを表現してみよう。どんな方法があるかな?その利点、欠点は?

1 ブルーに銀を混ぜる(ブルー+シルバー)。MRカラーにあるメタリックブルーが実はこれです。

欠点=銀の粒子が目立ちすぎる、銀の影響で少々濁った白っぽい感じのブルーになる。
利点=発色は確実で塗装は楽。MRカラーは安い。

2 2コート式パール塗装=ブルーの基本塗装(第1コート)後、パールブルー上吹き(第2コート)。

利点=比較的綺麗なメタリックなブルーが作れます。
欠点=第2コートのパールブルーを全体に均一に吹かないと、部分部分で色味が異なってしまうことがある。
 (実際にはそんなに神経質になるほどシビアではありません。)
   =第2コートに使用するパール粉はきめの細かい(高価)ものを使用しないと、パールの粒子が目立ってしまう。
(ギラギラした感じが狙いならそれでも構わない。MRカラーのパールは粒子が粗めなので大体そうなります。)

3 オーバーコート法
シルバーの下地(パールホワイトで作った銀の下地でもOK)の上にクリアーブルー上吹き

 ガンダムの百式、FFSのナイトオブゴールドの金塗装でよく取られる方法をご存知でしょうか?シルバーの基本塗装の上にクリアーカラー(百式などの場合はクリアーイエロー+クリアーオレンジ)を吹く方法です。それと同じ方法ですね。

 HJ誌の石川雅夫氏の記事では通常のシルバーで下地を作るのではなく、パール粉を多めに混入した塗料(顔料濃度の濃いパール塗料)でシルバーの下地を作り、クリアー塗料を上吹きする方法が紹介されており、記事中では「オーバーコート法」の名称が取られています。

利点=この塗装法はうまくいけば大変美しい色合いを表現できます。
欠点=はっきりいってよっぽど練習しないとうまくいきません。2の方法よりはるかに上吹き(この場合はクリアーブルー)の塗料の厚みによる色味の違いが生じやすく、部分的に色が濃い、薄いメタリックブルーになってしまいがちなんです。上吹きのクリアーブルーにクリアーを足して色の薄いクリアーブルを作りこれを上吹きすればこういった問題は生じにくくなるのですが(そのかわりなかなか色がつかなくなる)、全体を均一な濃さにすることが極めて困難なんです。

 3の方法は2コートである上に均一な色味の塗装面を作るのが著しく難しいのが難点なんで個人的にはお薦めできません。ただ、うまくいけば最も美しいメタリック塗装になると思いますよ。HJ誌の石川氏の記事では下地のメタリック面をシルバーではなくパールで作りクリアー系カラーを重ねる「オーバーコート法」という名称でこの技法は紹介されています。

4 1コート式パール塗装

 現在相田が最もお薦めのメタリックなブルーの作り方です。偶然、HJ誌での石川雅夫氏の紹介する「着色パール法」と同じなんですが「(比較的)透明度の高い色にパール粉を混入した色で着色する方法」です。メタリックブルーなら「クリアーブルーにブルーのパール粉混入」ということになります。このとき混入するパール粉の量は好みに応じてとしか言い様が無いのですが少なめの塗装で発色させたければより多くパール粉を混入することになります。パール粉の量が多めだと明るめのメタリックのブルーになり、少なめですとブルーの色味が勝って濃いめのメタリックなブルーになります。またクリアーブルーにクリアーを混ぜて色味の薄いクリアーブルーを作ったり他のクリアー色を混ぜて色味の異なるクリアーブルーを吹くことでも異なるメタリックなブルーを作ることが出来ます。

注意事項
 2コート式パール塗装の時と同じように原則的に「塗料の色とパール粉の色は同じ色系統」のものを使用すること。メタリックなブルーを作るなら混入するパール粉はパールブルーを使用すること。異なる色系統のパール粉を混入すると濁らせることになります。

 この注意事項に関連して、相田と石川雅夫氏の考え方には1点異なる部分があります。

 記事を読む限り石川氏の考え方は以下の様になると思います。
 「3の方法(オーバーコート法)の場合は、下地のシルバーにキメの荒いパールを使用しても上吹きのクリアー系カラーがのればキメの荒さが目立ちにくくなります。しかし4の方法では塗料に混ぜたパール粉の粒子が目立ちやすくなるため、使用するパール粉は超微粒子パール(市販のものではMGパール)の使用が不可欠である。」(「  」内は記事を元に相田がまとめたものです。」

 で、相田の考えです。超微粒子パールっていうかキメの細かいパールを使用することには異論はないのですが、超微粒子のパールでも「パールホワイト」は不適切だと思うんです。超微粒子といわれる「MGパール」ですがこれは要するに超微粒子の「パールホワイト」です。パールホワイトをクリアーブルーに混入した場合とパールブルーをクリアーブルーに混入した場合を比較するとどんな違いがあると思います?前者の方が明らかに色が白っぽくなる(もともこもない言い方だがあえて言えば 濁る)のです。
 どんなソリッド色(通常色)の塗装の上にでも上吹きすることで「パールホワイト」は手軽にパール塗装を楽しませてくれます。パールホワイトは簡単に言えば「半透明の白銀の膜をソリッド色の上に形成することでメタリックを表現する」役割を果たしています。しかし当然下地色をより白っぽくしまいます。白の上にパールホワイトを吹くのは問題ありませんが、2コート式パール塗装でメタリックなプルーを白っぽくしたくないのなら「パールブルー」を使うべきなんです。そして2コート式ほど明確に問題にはなりませんが1コート式の場合も「塗料の色とパール粉の色は同じ色系統」のものを使用するという原則は守った方が良いと思います。

追記
 1コート式パール塗装(着色パール法)における相田の考え方と石川氏の考え方の違いは、石川氏が重視する点を相田は軽視し逆に石川氏が軽視している(と思われる)点を重視しているということから発生しています。石川氏はMGパール(パールホワイト)は他のパール粉より微粒子でこれを使用すれば他のパールを使用するよりギラギラ感が少なくなることを重視しています。これに対し相田の場合はギラギラ感が少なくなるメリットよりも「白濁感」が強まるデメリットを大きく感じているんです。

 ちなみにMGパールは超微粒子のパールだそうですが「パールホワイト」しか存在しません。同一メーカーから販売されているFGパールは色つきのパール各色ですがMGパールほどのキメの細かさは無いそうです。簡単にいうと色付きパールは「色無しパール=パールホワイト」に比べるとキメの荒い物しか無いそうなんです。ですからMGパール並みのきめの細かさを持つ色付きパールが存在したら石川氏の着色パール法でも「塗料の色とパール粉の色は同じ色系統のものを使用すること」ということになってのかもしれません。

1コート式パール塗装のメリット
 これは1コートですから2コート式パール塗装、オーバーコート法より作業工程が確実に少なくなります。

 そしてそれ以上のメリットは2コート式パール塗装、オーバーコート法と違って確実な発色が得られる点にあります。2、3は上吹きのパール、クリアーの吹く厚みの違いで色味が一定のものにはなりにくいですよね?ところがこの方法は塗装を吹き重ねていくと最初のうちは段々と色が濃くなっていくのですが「ある程度以上吹き重ねるとそれ以上色が濃くなることが無い(これものすごく重要)」のです。これが2、3に無い最大のメリットです。このことは石川氏の記事の中でも取り上げられているんですが、もっと強調して欲しかったところです。

 ちなみにこの色の濃さ(最終的な完成状態の発色)は「パールを混ぜる塗料の色味と混ぜるパール粉の量のバランス」で決定します。ですから面倒に思われるかもしれませんが紙コップなどで塗料にパール粉を混入し調合し、それをプラ板などに実際に吹いてどんな色になるか事前にテスト吹きをする必要があります。そしてその色が気に入らなければ調色、テスト吹きを繰り返す必要があります。これが面倒と思うかどうか?人それぞれですがこのときテストで得られた発色は確実に得られ失敗することがありません。事前の手間隙を面倒に思うかもしれないですが2、3の方法と違って塗ってから好みの色が得らない、部分的に色が異なるムラになるといった問題が生じることはないのです。ですから事前テストが面倒っていうことをのぞけば最も初心者向けの失敗しない方法とも言えるんですよ。

 ただし、1コート式パール塗装で得られるメタリック塗装はオーバーコート法で完璧に仕上げられたメタリック塗装に少し劣るかもしれません。ただそれはほんの少しですし、オーバーコート法で完璧な塗装を行うことは著しく困難でお奨めできないんです。

1コート式パール塗装の弱点?
 ただねえ、この方法にも明確な弱点あるよ。クリアーの好みの色がMRカラーなどに無かったらどうするの?もちろん混色すればいいんだけど必ずしも好みの色が作れるかな?例えばエターナルセーラームーンの肩やCCさくら(ファイナルさくら)のピンクのパールはどうするの?ピンクは白+赤で作られる色だから「クリアーピンク」なんてのは模型用塗料では作れないよ。どうするの?対処方法は3つ。

A 強引に「クリアーピンクもどき」を作る。
方法は単純で「ピンクにクリアーを混入」するだけです。これにパールピンク粉を混ぜればOK。

B 模型用塗料に無くてもクリアーピンクに相当する物は存在する。HJ誌の石川氏の記事で取り上げられているアルコール系マーカー(画材)のインクを流用するのです。有名なのが「コピック」(Too製)ですね。これに模型用クリアーを混ぜれば模型にも一応使用できます。マーカーインクは全て透明系の塗料なのです。相田も石川氏の記事で知って試してみました。(注:この技法は石川雅夫氏の記事ではじめて知りました。)

C 諦めて「2コートパール法」で塗装する。つまりピンク塗装後パールピンク上吹きですね。

 どの方法をとってもいいのですが、Bの方法はわざわざインクを買ってこなければなりません。また模型に使用した場合、色あせ、耐久性などのデーターがありませんので使用に関しては保障できるものではありません。

参考=2001年HJ誌10月号、石川雅夫氏の記事では数年前に製作したモデルに特に問題は生じていないとの記述あり
 またAの方法は正直なところピンクにかなり白が混ざっているので正直あまり良い感じにはなりません。
 それぞれテスト吹きをして好みの発色が得られるかチェックする必要があるのはこれまでと変わりません。好みの色が得られればどれをを選択してもOKです。「さくら」と「エターナルムーン」のピンクの場合、Cの方法(2コート)で塗装をすることになりました。まあ、好みの色に応じて2コート、1コートをうまく選択していけばいいんですね。ただ傾向としては模型用塗料にそのまま(に近い形で)使えるクリアー塗料があれば1コート式で、ピンクのようなクリアー系の模型用塗料が無い場合は2コート式って感じになっていますね、相田の場合は。

このホームページ中のパールをふんだんに使用した作例

エターナルセーラームーン(神戸スペシャル)

ロングヘアー髪の毛

マスキングして髪飾りの赤をクリアーレッド+クリアーイエローで塗装。マスクしてお団子、お団子に近い部分にのみ白塗装。白の上に黄色塗装。白を載せていない透明部分の上にはクリアーイエローで塗装。この上からクリアー+イエローパール粉(2コート)

ブルー部分=クリアーブルー+ブルーパール粉(1コート)

レッド部分=クリアーレッド+ピンク(レッド)パールでは好みの色が出せず、レッド+クリアーで自作クリアーレッドをつくりピンクパール混入(1コート)

金部分=普通に金ですが上からクリアーイエロー+クリアーオレンジを重ねても良かったかも。三段スカートは一体でマスキングが必要なのでモデラーズノマスクゾル大活躍。

肩のピンク=蛍光ピンク+白で塗装後、ピンクパール上吹き(2コート)

白部分=白塗装、シャドウ部分は白+パープル。この上からパールパープルを吹くのが相田のセーラー戦士の白のスタンダードな表現です。

エターナルセーラージュピター

グリーン=クリアーブルー+クリアーイエローで作ったクリアグリーンにグリーンパール粉混入(1コート)

ライトグリーン=クリアーイエローを多めにいれてクリアーライトグリーンを作って1コートパールを狙うも好みの発色得られず。それで蛍光グリーン+白塗装後、グリーンパール上吹き。

ピンク=エターナルセーラームーンのピンクと同じです。

注:セーラーエリのラインの塗装皆さんどうしてます?相田は基本的に塗装ではないの。ラジコンのマーキング用の一種のカッティングシート(京商製)を細切りして貼っています。はがれ防止に上からクリアー吹きをすれば完璧。通常は白を使いますがエターナルの場合は金を使います。この方が塗装より楽なのね。この場合ラインのモールドは削り落とした方がいいかも(相田はやらないけど)。

オープニングさくら

ブルー部分=紫がかったブルーを用意してください。フィニッシャーズのブルーパープルがお薦めです。塗装後、ブルーパール上吹き2コート。面倒な場合はフィニッシャーズのカラーに明るめのメタリックブルー=シーサイド ブルーがあるのでそれが比較的お薦めです。ただし赤みの無い明るめのメタリックブルーです。

黄色部分=イエロー塗装後、イエロー(ゴールド)パール上吹き(2コート)

白部分=白塗装後、パールホワイト上吹き(2コート)。

ファイナルさくら

ピンク部分=蛍光ピンク+白(少々)+パープル(極少)で塗装後、ピンクパール上吹き(2コート)。相田の完成見本よりもう少し白を多めにした方が良かったかもしれません。

赤=蛍光ピンク+クリアーレッドをクリアーで薄めた物にパープルパール混入(1コート)。

 が、厳密にはこの調色では相田が想定した色の通りの色は作れませんでした(それなりの近似色は作れます)。で、この色に関しては少し反則を使いました。模型用塗料には無い「マゼンタ」という色を入手して独自に調色した塗料を用意しました。で、できた色が「CCマゼンタパール」です。この色はうさPハウスオリジナルカラーとして通販ページで取り扱い中です。(絶版になりました)

衣装の縁取りの金は普通に金

星の杖=蛍光ピンクで塗装後、ピンクパール上吹き(2コート)

全部に共通した事項
1 1コート、2コートに限らず更にその上からクリアー塗料を吹くとパール感が強調されて綺麗。クリアーはフィニッシャーズのオートクリアーが乾燥が早くて綺麗にツヤが出ます。

2 白塗料ははフィニッシャーズのファンデションホワイトがお薦め。

3 パール粉はVOLKS製のものを好んで使用していますが他社でも問題はありません。

4 1コート、2コートに限らずプラ板などでテスト吹きをしてどんな色になるか確認した方が言いでしょうね。(ある程度経験9を積むとテスト無しで概ね色を出すこともできるようになりますがお勧めしません。)

パール塗装のまとめ

 
えっと、テスト吹きなどを考えると結構面倒くさく思うかな?でもパール塗装自体は単純な技法なんですね(もちろんいろいろと応用はある)。作業工程が多少多くなるかもしれないけど簡単な作業の積み重ねに過ぎません。テスト吹きをすることを面倒に思わなければ、エアーブラシによるグラデーション塗装であるとかクリアーカラーで行う肌色塗装(世間的にいうサフレスの肌色)に比べると確実に成功する技法なんです。

 特に「コスチューム系」の派手な衣装にはとってもマッチする塗装方法なんで「セーラー戦士」や「CCさくらバトルコスチューム」にはいろいろと使えそうでしょ?一度チャレンジすることをお薦めしますよ。これまでと一味違う完成品が手元に残るはずです。

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