スピンヤスリQ&A  文責 相田和与

基本編

スピンヤスリ製作のための「電動歯ブラシ」の入手  03年12月追加

「反復回転式電動歯ブラシの入手」

 動歯ブラシには現時点でいくつかの方式があり価格も多岐に渡りますが、ここでは先端(ブラシ植毛円形)部分が「反復回転式(高速反転式、30度程度の角度で反復円運動を行う)」のものを選んでください。高級機種ですと1万円を超えるものもありますがここで推奨する製品はオープン価格で800円程度(安いところでは600円以下)のものです。別銘柄を選ぶにしても1.5V単3電池2本(3V)で使用する機種がパワー的にも可使用時間的にもお薦めです(単3、1本仕様の機種ははパワー不足、単4、2本仕様の機種は電池の消耗が早いので選ばない方が良いでしょう)。


 実際の入手にあたっては皆さんが普段「歯ブラシを購入する場所」をあたってください。ドラッグストア、スーパーマーケット、ホームセンターなどをのぞいてみると多くの電動歯ブラシを目にするはずです。ここで推奨するのは画像にある「クレスト スピンブラシ」。1が本来最もスタンダードなタイプですが、現在は2のタイプに切換わって市場では見かけなくなってきているようです(絶版?)。2のタイプは先端のブラシ部分が交換式に変更された「スタンダード タイプ」。改造してスピンヤスリにしてしまっても先端ブラシを交換すれば当然歯ブラシとして使用しつづけることも可能です(1、2とも参考価格798円のオープン価格商品)。3のもの「スピンブラシPRO」。基本構造は2に近いものなのですが交換式の先端ブラシの構造が少々凝った物になっていてスピンヤスリとして利用する場合、より作業の幅が広がります(参考価格1380円)。なお2、3の交換ブラシは互換性があり、どちらの歯ブラシ本体にも取り付けることが可能です。これらの電動歯ブラシはオープン価格商品ですので購入する場所、時期により価格は変動します。


 価格の面や「PRO」タイプを利用しての作業の幅の広さ、利用者が多く情報が豊富という点からここで紹介している「クレスト スピンブラシ」を利用して製作されることをお薦めします。
1 スピンヤスリに持ち方ってあるんでしょうか?03年12月改定

 各人が持ちやすいように使えばそれで良いのですが、基本形を2つ紹介しておきましょう。それぞれにメリット、デメリットがありますので適当に選択してください。

A 相田が基本的に推奨しているのがペングリップ(鉛筆持ち)です。

ヤスリ面に近い位置を持つことになるので
ヤスリ面の動きや力のコントロールが大変しやすく「繊細なサンディング作業」が可能になります。小型のリューター(一般的なモーターツール)を利用されている方にとっては大変馴染みやすい持ち方だと思いますが、ヤスリのネック(首)が細く少々持ちにくく感じる人もいるかもしれません。この問題は以下のようにネックの部分に紐を巻く(ネック部分に両面テープを貼り、紐を巻きつけ太さを調節、更にその上からテープを巻きつける)などして各人の持ちやすい太さに加工すると解消されます。またこの持ち方の場合、本体に収納された電池の重さが、やや負担となり指が疲れやすく長時間の作業に向かないといった面もありますが、この弱点もネックの太さの調節である程度解消されます。)

相田の場合、スピンヤスリ導入直後から外部電源化に踏み切ったのはこの持ち方に起因しています。

B 上側から被せるような持ち方です。

 Aの持ち方に比べると
「指への負担が少なく疲れが生じにくく長時間の作業に適した」持ち方と言えます。Aの持ち方と同様に手首の動きでスピンヤスリをコントロールすることになるのですが、1に比べて手首とヤスリ面の距離が少々離れており微妙なタッチでのサンディングをするのには少々慣れが必要になります。ただし、この道具はもともと大きな面をガシガシ サンディングする道具ですので、この持ち方がそう都合の悪いものと感じられないとは思います。

(実際にはAの持ち方の場合、慣れてくるとブラシのコントロールは「手首」でなく「指先」で行うことも可能です。こうなるとBの持ち方に比べ圧倒的に微妙なタッチでのサンディングが可能になってきます。ただしそうなればなるほど「指」が疲労しやすくなり長時間の作業には向かないという面が強調されます。)


2 スピンヤスリに使用するペーパーの貼り付けに「クッション付き両面テープ」を薦めていますが「普通の両面テープ」はだめなんでしょうか?03年12月改定

基本的にダメです。「クッション付き両面テープ」の使用は、実は本体以上にキモになる部分です。

 フィギュアのパーツの処理を行う場合、そのほとんどの面は「曲面」となります。この曲面処理の際に「クッション付き両面テープ」で貼り付けたペーパー面が微妙に曲面に馴染み、曲面の「面出し、面磨き」に最適なのです。一般的な「厚みの薄い」の両面テープを使用すると「ペーパー面」が
硬い平面になりパーツの曲面に馴染みにくく、綺麗に曲面をサンディングできないどころか、曲面部分を平面的に削ってしまうことになりがちなのです。逆にクッション付き両面テープを使用することによってこの道具は「平面出し」には向かない道具となっています(そもそも反復回転運動自体が平面磨きには向かない運動です)。注:「クッション付き両面テープ」の使用によって、この道具のサンデイングツールとしての使用の際に必要なスキルレベルを下げ、始めて使用する方にも大変なじみ易い道具となりました。極端かもしれませんが、この道具は「主に曲面によって構成されるフィギュア向けに特化した道具」と言えそうです。
(メカモデルを製作される方で使い勝手を検証したりメカモデル向けに利用しやすいように工夫された方がいらっしゃいましたらその成果を発表していただけると嬉しいです。)

注:普通乗用車のハンドルには操作がしやすいように一般に「遊び」といわれる調整がなされています。この調整がなされていないレーシングーカーなどの場合、普通の人にはまっすぐ走らせることが困難だそうです(思い通りのコース取りをして早く正確に走る必要の有るレースカーでは非常にダイレクトなハンドリングが当たり前なのですが、一般人にはシビアすぎて思い通りのコース取り以前にまっすぐ走ることも困難)。「クッション付き両面テープ」は自動車のハンドルの「遊び」のような役割を果たしていると考えていただければよいかと思います。

補足 クッション付き両面テープに関して「スポンジ両面テープ」という表現を使用することが多く若干誤解を招く部分があったと思いますが、厚さ1ミリ弱のクッション材を介した両面テープです。現時点でお薦めなのがダイソーなど(100円ショップ)で広く販売されているものです。(むしろ普通の文房具店より100円ショップの方が入手しやすいです。)

3 スピンヤスリに使用するペーパーはどのくらいの番手(粗さ)のものが良いのでしょうか?
 実際に使用しながら考えていただきたいのですが、基本的な原則を一つ知っておいてください。それは、先端部の高速回転の影響もあってサンディングの仕上がり具合は、一般的なペーパーの使用と比べて仕上がり具合が1段分以上綺麗に仕上がることです。つまり240番でサンディングして320番のペーパーの仕上がりと考えてください。
 この道具の使用の際には、これまでの作業時より1段荒いペーパーを使用するのがコツとなります。パーテイングラインの処理、特に明確な段差を処理する際には180番〜240番程度のペーパーを使用することをお薦めします。パーツの削り過ぎを警戒して400番程度から作業をはじめると著しく作業性が悪くこの道具のメリットを生かせません。なお、切削力の強化手段として「電圧UP]や「強力モーターへの換装」のムーブメントが生じつつありますが、「切削力強化の基本は使用するペーパーを荒目のものにする」ことであることをお忘れなく。

応用編
1 「ペーパー」の代わりに「スポンジやすり」(住友3M製、ボークス、コトブキヤなど各社ブランド版も有り)を貼り付けて利用する例を見ることがありますが、これはお薦めでしょうか?

 基本的にお薦めしません。

が、「スポンジやすり」の特性を十分に配慮すれば有効な使用方法も有ると思います。

基本編2の質問にお応えする際に「クッション付き両面テープで貼り付けたペーパー面は微妙に曲面に馴染み曲面の面出し、面磨き」に最適」と応えています。「スポンジペーパー」は「クッション付き両面テープで貼り付けたペーパー」よりはるかに柔軟性があり「極めてよく面に馴染んだサンディング」をしてしまうことがあります。結果的にサンディングする面の凹凸を満遍なく拾ってしまうことになり(凸部分が「より」削れはするのですが)、全体に面は削れて綺麗になっていくものの、いつまでたっても面に凹凸が残り続けるという傾向がはっきりと出ています。「曲面に微妙に馴染むが馴染みすぎない」という大変都合の良い状態が「クッション付き両面テープ」で実現できてしまうのでこれをお薦めしているわけです。
(クッション面やスポンジ面が厚くなるほど面に馴染みやすく、一見磨きやすくなるのですが、馴染みすぎて凹凸を残したままの状態でサンディングしがちになる。)

ただしスポンジやすりでも「目が粗く表面が固めのもの」を使用し、更にこういった特性を十分に配慮しながらサンディングなら、そう悪い仕上がりにはならないようです。

また、「スポンジやすり」の柔軟な性質を利用して、入り組んだ凹凸のある面を全体にサンディング(と言うよりは仕上げの磨き)といった使い方はかなり有効なものになると思います。

2 スピンヤスリの改造?強化?がいろいろと紹介されているようですが、ぶっちゃけお薦めはどれですが?

 どれもお薦めできますが、どうも道具の強化そのものが目的化している傾向も感じられるので相田も注意しなければ、、、、、、、。実際に作業をしてみると、、、、、、、、、、、どれもしなくても十分ですよ。

一番のお薦めは、切削力を強化するなら高電圧化、モーター交換より「使用するペーパーを粗めのものにしろ

、、、、、、、です。まずこれを実行してください。これだけでかなりの切削力強化になります。高電圧をかけるとかモーター交換とかは、費用的にも技術的にもハードルが高くなるので、ノーマル状態で十分使い込んでから実際に不満を感じてからで十分です。

(なお、高電圧化によるパワーアップはモータにかける負荷が大きく、長時間の連続使用はモーターの寿命を縮める事例が報告されてます。

3 でもACアダプタ方式は電圧が安定して長時間作業には便利ですよね?

 あなたがデジカメを利用されているなら充電式の電池持っていますよね?何本か余分に用意して、パワーが弱くなってきたと思ったら交換してその間に充電しておいて下さい。電圧低下が気になる場合はこれで十分ですよ。
補足 デジカメの電池は1,2V(ボルト=電圧)で電圧は低くなりますがA(アンペア=電流)が高めですので電力(W)的にはアルカリ乾電池使用時と同程度の働きをします。


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