塗装の練習という概念

模型誌ホビージャパンにMAX渡辺氏によるHOW TOページがあります。現在(2003年後期)はタレント加藤夏季にフィギュアを作らせるという形で展開しているのですが、フィギュアの世界では上級テクとの印象のあるサフレス塗装による肌色塗装が実践されています。

 このページは始まって既に結構の期間を経過しているのですが、ベルダンディーのキットを使用して、サンディングなどの作業から順次紹介されいます。実はこのページに関して先のC3の際にMAX渡辺氏にお話をお聞きする機会がありました(もともと個人的に多少の面識があったのと、うさPハウスブースで展開していたスピンヤスリなどの道具の紹介に絡んでHOW TO方面の話題から氏の連載へと話題が移った)。で、その時点で現在展開している記事の撮影などは終えられており、加藤夏季は見事にサフレスで塗り上げたと聞きました。

加藤夏季が相当のオタク(ヤスリガケが大好きらしい)で集中力がとんでもない(らしい)といったことや指導者が付きっ切りということを考えればある程度のところまでいけるとは思っていたのですが、実際の記事を見て「サフレス」塗装の指導に関しては大変合理的な方法がとられていることに感心しました。要は「反復練習」を行うという「技術を習得する上で本来当たり前のこと」の実践なんですが、本塗装前にテストパーツを用意して塗装を数多く(記事を見た限りだと実に十数体分)行うという方法が取られていたんですね。クリアー系の色による肌色塗装は塗料を多く吹けば吹くほど色が濃くなり自分好みの発色を安定して得ることが難しい、注意しないとパーツごとに色味が異なってしまう、色が濃くなりすぎたら塗装を落として最初からやり直しになるなどいろいろと問題が多く、成功時の発色の良さ、透明感の美しさは評価できますが必ずしもお薦めの技法ではありません(また厳しく言えば透明感があるのでなく「単に色が薄い」だけの勘違いとも言える作例も多い)。
 失敗の原因は「経験」の無さによるのですが「テストパーツを数多く塗装」することで、この問題は容易に解決することができます。ところが模型の世界では「練習」という概念に乏しく、一つ一つキットを組上げ塗装する「本番」作業の中で「練習」をするのが一般的です。これですと年に数点しか塗装にまで至らない人はいつまでたっても塗装経験に乏しい状態が続くんですね。正直なところ年に2〜3点程度の塗装作業といった状態では「サフレス」塗装に関しては加藤夏季の方がはるかにレベルが高いといった感じになると思います(加藤夏季は一日にして月1体塗装のモデラーの一年分以上の肌色塗装を経験して、サフレス塗装の塩梅をかなりの高次元で理解したとも考えられる)。
 で、ここで提案なんですが、とりあえず離型剤を落としたのみのパーツ(キットの在庫はたくさんあるでしょ?)を多数用意して塗装の練習してみません?練習後、シンナーに浸けて色を落とせば先々そのキットを組むことは出来るわけですし、この時、いい感じに仕上がったパーツは本塗装用のサンプルとして残しておくと良いと思います。模型の世界には「練習」という概念が乏しく実際に完成にいたる数が少ないのであれば「塗装」に関して上達しにくいのは当然といえば当然の話です。また、月に1体塗装にまでいたると言えば、本来なかなか大した話なんですが、「反復練習」と言えるほどの短期間で塗装作業を行うわけでは有りません。うまくなるための「練習」を積極的に行えば初心者があっという間に上級者(と思われる人)を追い抜くことが出来ると思うんですね。

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