第2回 うさぎ小屋企画 レポート
02年12月22日(日) 大阪 開催

 翌23日開催のWHF神戸への遠征に際して大阪の芸人氏エビス堂 主宰)に会場のご提供をいただき開催しました。

<基本的な内容>

第一回の内容に準拠して行い一部改定。

<最初に>
 もともと02年9月に「うさぎ小屋(相田の工房スペース)」で行ったのが第一回となるのですが、大げさに言えば目的とするところは「作ることの楽しさのアピール」となりますが「ガレキの製作作業の無駄を省いて楽して完成品を作りましょう」っていうのが基本コンセプトなんです。幸か不幸か(そこそこ精力的な)ガレキディーラーなんぞをやっていると時間に追われて完成品を作ることが多い、しかも売り物の見本になるわけですのでヘボイ完成品はまずいわけ。で、結果的に短時間でそこそこ見栄えのする完成品を作る技術に長けてくるわけです。少々変則的で薦め難い技術や材料(最低限の換気設備がないとお薦めできない本物のラッカーとか)を使用することもあるのですが、これらは作業時間の短縮のために使用しているのであり一般的な模型材料でも時間をかければ同じ効果を上げることが可能なんですね。また道具などに関しては市販の工具は汎用性は高いがフィギュア製作にはベストでないといったことが少なく有りません。では特別な工具が必要なのかと言うト出来合いのものをほんの少し加工したり工夫して使うだけでフィギュア向きの道具になったりします。第一回のレポートの際にそういった工具の例を既に紹介しているわけですが、今回の出張版も原則的に内容的にはほぼ同じスタイルで進め実際にご参加いただいた方々にも紹介の上、利用してみてもらうことにしました。


<開催に際して>
 ところで今回の企画ですが第1回実施後、大阪の芸人氏より会場ご提供のご連絡をいただき実現しました。ちなみに芸人氏ですが一応建前上は受講者ということになっているのですが、ガレキ製作に役立つ道具や技術などを紹介するページを運営されており、今回の講座内容は氏のアイデアをもとに第一回の改定版といった感じになっています。
 受講者は更にお二人いらっしゃいまして、鳳天舞氏(ときめきふぉーとれす運営)とUKO氏。鳳天舞氏はページをご覧いただくと既にガレキ製作歴がかなりある方です。UKO氏は製作歴はまだ少なめの方です。 御参加の方々を紹介するとガレキ歴の幅も広く全ての方向けの内容には本来なりにくいのですが、ホビー誌などで取り上げられたことの無い変則的な道具なんで(ベテランでも知らない使ったことが無い)割と万人向けの内容になっていたりします。

<第一回と思いっきり重複しますが>
 ガレキ製作上面倒な作業、時間がかかる作業って何でしょう?省くことが出来ない作業って何でしょう?パーティングラインの処理作業ですね。第一回の講座の際にパーテイングラインの処理の基本概念を紹介しているわけですが、「切削力の強い金属製のやすり」が道具としては結構使いにくいものであるということを紹介しています。手短に言えば「劇的に表面を削り傷だらけにしてしまい最終的にペーパーで細かい番手まで磨かなければいけない」「やすりの当て方次第で曲面が平らになってしまう」などの弱点があるわけです。特に比較的成型状態の良いパーテイングラインの段差が小さいキットの場合は金属やすりを使用するとかえって作業時間がかかるだけで良いことが有りません。ということで紙やすり類(耐水ペーパー、布ペーパー、から研ぎペーパー)などの使用をお薦めしたいところなんですが、指でつまんで使用するのではなく一種の「当て木」をすることを薦めています。整形時にはパーツの凸部を中心に削りパーツ全体を滑らかにしたいわけですが、当て木をしないと「指+ペーパー」がパーツ表面の凹凸に馴染んでしまいなかなか綺麗な面に整形することが出来ないのです。ところがこの「当て木」というのが曲者で「硬すぎる当て木」はダメなんです。フィギュアのパーツの表面は基本的に曲面が多く硬い当て木をしてペーパーがけを行うと本来曲面になるべきところが平面(的)になってしまうんです。そこで「パーツ表面の凹凸はひろう(削る)硬度がありながらも微妙にたわんで曲面出しが可能な当て木」をお薦めしてるわけです。その当て木はどこでも入手できる「消しゴム」ということになるわけですね。大きさ硬さにいろいろと種類がありますので使いやすいものを物色してみると良いでしょう。
サフをパーツの表面に吹いてみたら「表面がいびつで磨き直すことになった」なんて経験は誰でもあると思うのですが、こういったものを利用するだけで短時間でちゃんとした処理が出来るはずですよ。

 
さて既に第一回で紹介したお手軽道具のうち一番反響があったのが「コの字」やすりです。髪の毛の隙間などやすりやペーパーの入りにくいところを処理するためのお手軽道具です。適当な厚みのプラ板をコの字型に切り出して切り出したペーパーを両面テープではって固定するだけのお手軽な自作工具です。パーツのサイズや形に合わせてコの字の大きさを数種用意するといろいろと応用が利くと思います。また固定方法を今回新しくすることにしました。両面テープでなくクリップを使用してみることにしたんです。ペーパーの交換作業が楽になりますので作業中に番手を変えるなども容易に出来ます。
  
 しかし「コの字」は指と指の間を処理するぐらいの軽微な作業には良いのですが材質、形状的にもろくガシガシ削る作業(大きなフィギュアの太ももなどを削ることを考えてみよう)には向かないんです。で、ここでさらに便利な道具を紹介。第一回で「コの字」を紹介した後、今回の会場提供者、芸人氏より「基本概念は同様だがフィギュアのパーテイングラインをガシガシ処理できるすぐれもの自作ツールの紹介を受けました。フィギュアの手足などのパーテイングラインをガシガシ削って曲面出しが容易に出来ます。この道具は芸人氏のページhttp://gk.plala.jp/photo/3rdhand/sanding.htmlでも紹介中ですので是非ご覧下さい。

<芸人サンダー
(仮称というか相田が勝手に命名>

 要は「コの字」にあたるものを市販の金具(水道管、パイプなどを固定するのに使用する金具。東急ハンズなどの水周りコーナで入手可能)を利用するというものなんですが、幸いこの金具のサイズが数種類あるのでいろいろな作業に対応可能です。詳しくは芸人氏のページにありますが一部補足、アイデアを出して起きますと、、、、

●もともと芸人氏 考案型の場合、ペーパーの固定は両面テープなどを使用して、複数道具を用意して使用するのを基本にしていた。
●必要に応じてペーパーを容易に交換できる方法を相田が提案。クリップなどを利用する方法を取ることにしてみました。
(現時点で芸人氏のページでは1タッチ式のクリップ(商品名ガチャ玉など)での固定が紹介されています。これはホールド製が大変良好ですが、ペーパーの交換があまりスムーズではありません。ここで紹介している画像は一般的なクリップを使っています。ペーパーの交換はかなり簡単ですが、ホールド性が少し劣るのとクリップの取っての部分が作業の際、多少邪魔になることもあります。)

●画像左が仮称「芸人サンダー」通常型なんですが、ペーパーの固定位置を正規の位置から90度ずらせてみるのもOK。もち手とサンディングするパーツの角度的にこの方が作業しやすい場合もあるのね。(右側の画像)
● 作業時に強く力をかけるとペーパーが切れやすければ、ペーパーの裏にテープ類を貼り付けて補強すればOK。ペーパーの裏に先にテープを貼って切り出すと良いでしょう。
● 実はこの道具の出現で「相田コの字(仮称、、、、既に用無し?)」はほぼ用無しになったりして(笑)。(実際には小パーツの整形時にコの字の大きさを任意に調節できるので使用する機会はなくならないけど)

 金属やすり程パーツを傷だらけにすることがないが整形力が比較的強いこの道具はかなりのお薦め品です。(ここでは「芸人サンダー」と呼ぶことにしましょう)
 問題はこの金具の入手なんですが、水道管の工事等の際にパイプを固定する金具なので品揃えの良いホームセンターでないと置いていないかも。相田のばあい近所のホームセンター(オリンピック)では入手できず東急ハンズで見つけてきました。まあ、なければないで代用できるものもありますので。(詳しい製作方法は芸人氏のページで紹介中)

 てなわけで、第一回で紹介した道具とともに「芸人サンダー」も使用して実際に作業をしてみます。全ての道具が全ての人にとって使用しやすいとは限りませんが、一つでも有効なものがあれば作業性は確実に向上します。また、作業をしながら、道具を自分なりに工夫してみる、考えてみるきっかけになれば良いと思います。

< 完成品(塗装)に関して >
 鳳天舞氏が塗装済みの完成品を2点持ち込まれました(
clayz」6分の1・月宮あゆ、うさPハウス、セーラーヴィーナス)。ホームページの方をご覧いただければ分かるのことですが既に作品数をこなしかなり手馴れた方なんですね。割りとこのままでも良いというか問題無いとも感じたんですが、1つ「あること」を意識して塗装することを薦めてみることにしました。

 それは「ツヤの有無の使い分け」です。

 相田の場合、イベント会場でお客さんに完成品を見ていただきパッと短い時間で見てもビビッと来るように意識て塗装することが少なくありません。その際の塗装の方法として「ツヤの有無を使い分ける」という方法を取っています。本来は「衣装などの材質を想定してツヤ有り(グロス)、半ツヤ(半艶消し)、艶消し(フラット)と使い分けたいところなんですが、微妙な違いはイベント会場では伝わりにくいのでほとんどの場合「艶消し、ツヤあり」の組み合わせで塗装することになっています。

 イベント会場などでは「完成後、全体に艶消しスプレーを吹き付けたような完成品」を目にすることが少なくありません。しかしこれって極端な言い方になりますが、せっかくの立体を「平面化(立体感を無くす)させる行為」ような行為なんです。立体であるがゆえに部分部分に光があたりハイライト入り立体感が強調されるわけですが、全体に均一に艶消しスプレーをかけることによって
,立体であるメリットが打ち消されてしまうことも実際にあるんです。(注:鳳天舞氏の作られた完成品がこれに該当するわけではない。)
 部分部分でツヤの有無を使い分けることによって「立体ならではの意味が強調され、完成品が引き締まる」というのが相田の考えです。技術的に変わった、新しいことをするというほどのことではないのですが、目の前の完成品の見え方が大きく変わってくるということでお薦めしてみました。

 ちなみに実際にこれを行う方法ですが作業効率を考えると「ツヤありで完成品を製作して、つやを消したい部分を残してマスキングしてフラットクリアーを吹く」が逆に「艶消しで完成品を製作して、ツヤありにしたい部分を残してマスキングしてクリアーを吹く」のいづれかになると思います。基本的に相田の方法は前者になります。

<参加された方々のコメント>
鳳天舞氏
 技術面でも短い時間ながら、とても勉強になりました。HPで事前に前回レポは見ていたのですが、百聞は一見に如かず。現場で実際にツールを見て手にとってみるとやはり得るものが違いますよね。(芸人サンダーに関して)早速ホームセンターやロフトに本日赴いていろいろツールを探してきましたが、探し方が悪いのか同じようなツールはなかなか見つけることができませんでした。が、「全く同じもの」に限定するのではなく、同じ結果を引き出せるようなツールを近所のホームセンターなどで焦らずに探していきたいと思います。今の私に最も求められているのはこういった「応用性」だと改めて実感していますので。
 10のやり方を試した中から最善の方法を見つけるのと、1つのやり方に固執してそれを高めていくのでは知識や知恵の面において格差が出ます。確かに私は数はこなしてきてはいますが、どちらかというと後者の方で今まで推移してきているんですよね。」

相田のコメント
 鳳天舞さんは一定レベル以上で完成品をなかなか良いペースで作られている方です。これはかなり楽しいことなので是非続けていただきたいところです。向上心の高さゆえに今後製作数が減るようなことがないか少し気がかりだったりもするのですが、一度に欲張らず1作ごとに何か自分なりのテーマを「1つだけ」盛り込んで製作を続けて行くと気がつかないうちに1年、2年前とは大きく異なる完成品が製作できる様になっていると思います。
 
UKO氏
「 
今日のうさぎ小屋はとても勉強になりました。なぜなら、パーティングラインの消し方でとても苦労していたからです。〔今までは大体消していってアルテコを塗り、また削って面をだすという方法で作業していたのです。〕ですから、塗装する前に力尽きていることが多々ありました・・・・
 これからは、今日教わった方法で作業効率のアップし、1月で1体ずつ完成に持ち込みた いと思います。 あと、会場ではないところで完成品も見れたし、ガレキのメリハリのつけたやコツなど教えていただいたり、モーターツールの使い方のヒントももらったり、書籍では
なかなか伝わらないところを教えてもらって大変勉強なりました。」

相田のコメント
 実はパーツの整形、サンディングにまつわる作業はガレキ製作上もっとも省力化、作業時間短縮が可能な作業なんですね。この作業を容易に終わらせることが出来るようになると、それ以外の作業により気が使える、時間をかけることが出来るようになると思います。また全体に作業時間が短くなることで数多くのキットを楽しめるようになります。完成品が一つずつ増えていくことは大変楽しいことですので、是非楽しんでください。

芸人氏
「良きにつけ悪しきにつけ、他人の作業を見て自分の役に立たない事は無い」を信条にしておりますが、今回もまったくもってそのとうり、目からウロコの連発でした。雑誌などのテキストで知っている方法でも、実際目の当たりにすると受け取り方がてんで違ったいたりして、有意義な機会を過ごせたとおもいます。そう言う意味で自身のページで動画コンテンツを作っていたんですが、サボリ気味だったので
反省、今年は少なくとも10点は新コンテンツこさえます。今回は良い機会を頂きましてありがとうございました、また機会がありましたら
いつでもウチをお使い下さい(^^ゞ

相田のコメント
 早速ですが03年5月にもまたお世話になりたいかと、、、、、、、。芸人サンダーはこの手の道具としては群を抜いて有効性、コストパフォーマンスの高いものなんで是非普及に努めていきたいと思います。


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